VMDに転職希望する人がここ数年急増しています
VMD、ビジュアルマーチャンダイジングの仕事を一言でいうと、店頭での服の見せ方を考えて販売を支援する施策を考える仕事といえます。
VMDの仕事では大切なことが二点あります。
●店頭での陳列方法をどう考えるか?
●お店全体のデザインやお客さんの動線をどう考えるか?
VMDはこの二つを突き詰める仕事ですが、これってかなり「経験が必要な仕事」のように感じますね。
実際のVMDの求人例を見るとこんな感じになっています。
まずひとつめは、日本の大手スポーツメーカーです。
各店舗のVMD案を考えたり、店舗で実際にレイアウトを指導・実践するのはVMDとして実にやりがいのある仕事だと思います。この求人の応募条件をみてみると、こんな感じになっています。
VMDとしての経験3年以上
別の求人をみてみます。
大人っぽくてセクシーなマークスタイラーのVMDの求人です。
マークスタイラーのVMDの応募条件は、「VMDの経験が2年以上」となっています。
VMDの仕事は、事前に考えたVMD案を実際に店舗で実践指導することが多いため、即戦略が求められる中途採用では経験者が求めれられる傾向があります。
VMD経験者は、過去の仕事で解決した課題を整理
VMD経験者で別の会社に転職を希望する人は、実際の自分の過去のVMDプランで、
・どんな課題設定をして、
・実際にどんなVMD案をして、
・店舗での実施時にどんな対応をして、
・実際の販売がどうだったか?
をいくつか整理しておくとよいと思います。
過去のVMDでの仕事での思考・行動のプロセスを伝えることで、転職希望の会社にあなたの仕事をイメージしてもらいやすくなります。
そして、最も大事なことは、希望の会社の店頭を
・自分だったらどうのようなVMDを考えるか?
・その理由やそのアイディアにいたる視点は何か?
を考えておくことです。
未経験からVMDに転職はできない?
では、未経験からVMDへ.転職を希望する場合はどうすればよいでしょうか?
まずは、「VMDのアシスタント職」を募集している企業を探すことがポイントとなります。VMDアシスタントは未経験でも大丈夫なところがほとんどなので、まずは、「VMDのアシスタント」や「VMD未経験OK」の求人を探しましょう。
VMDのアシスタントや未経験OKの求人がない場合、「VMDの経験1年以上」程度の求人を探して応募することになりますが、大切なことは、
●過去の業務経験でVMDの仕事につながる経験を伝える
●VMDの仕事の基本的な流れを理解しておく
ことです。
過去の業務経験でVMDの仕事につながる経験を伝える
これは、例えば、アパレルの販売職であれば当然ながら、
・本部から送られてくるVMDマニュアルを見たことがあったり、
・実際に店頭のレイアウトやディスプレイを作る経験があったりする
と思います。その時のことを思い出して、
・どのような課題があって、どんなVMDを展開したか?
・その時にお客さんの反応は意図通りだったのか?その理由は?
などを簡潔にまとめておくとよいと思います。
VMDの仕事の基本的な流れを理解する
これは、実際にVMDをやっている方に仕事の流れと内容、必要なスキルや考え方などをきけるとよいと思いますが、身近に都合よく現役のVMDの仕事をする人がいるケースは稀だと思います。
いまはネットや本でVMDの仕事の流れがわかるものがいくつかあるので、自分の知識が足りないと思う人は、ネットや本で理解を深めておくとよいと思います。
いくつか参考になりそうなものをあげておきます。
日本VMD協会
勉強会や交流会の「場」の情報があります。
アパレル業界で欠かせないVMDって何?
マイナビバイトの仕事解説コーナーです。VMDの仕事で必要となる視点が解説されています。
ビジュアルマーチャンダイザーの仕事
転職サイト「en」の仕事解説ページです。必要な知識の領域等が解説されています。
ビジュアルマーチャンダイジングの教科書
ファッション業界雑誌「ファッション販売」から出版されている本です。実際の店頭陳列の具体例が豊富にのっているので、イメージをつかむにはちょうど良い本だと思います。
VMDに求められる二つのスキル
VMDに非常に求められるスキルは大きく二つあると思うのですが、ひとつは観察力。
観察力は売れているお店と売れないお店の違いをよく観察・洞察する経験を多くつむことで養われていきます。
そのポイントを陳列の仕方に落とし込んでいくのがVMDの仕事ですが、まずは、セールスアップに何がポイントになっているのか?をつかむ意識を強く持つことが非常に重要です。
そしてもうひとつが、少し意外かもしれませんが、コミュニケーション力なんです。
お店で販売員に売れ行き動向やお客さんの状況を聞いたり、考えた陳列方法を販売員に説明したり、相手を理解し、自分の考えを伝えるコミュニケーション力はVMDにとってとても大切なスキルといえます。
VMDは、観察による探究心から店頭の課題を把握し、それを店頭陳列方法に落とし込むアイディアを考え、販売員に提案していく非常に面白くやりがいのある仕事だと思います。
特に、これまで販売員として接客をしてきた方は感覚的につかんでいる店頭での課題が、そのままVMDのアイディア出しに活かされることと思います。
求人数はあまり多くないかもしれませんが、是非、チャレンジしてみてください。
VMDへの転職のコツ
アパレルの職種の中でも特に専門性が高いVMDの採用選考は、会社側もかなり突っ込んだ質問をしてくることが多いようです。
自分の過去の経験のまとめ方やアピールの仕方がわからない方や、未経験ながらVMDに転職したいという方は、迷うことなく、アパレル専門の転職エージェントを利用されることをおすすめします。
アパレル専門の転職エージェントは、アパレル企業の人事や現場のマネージャークラスと接点があるので、
・いまどのような人材が求められているか?
・転職希望者がどのようにアピールすべきか?
について、コンサルティング実績が豊富にあります。求人サイトに自分から応募して受かるまでがんばる、という方法もありますが、少しでも不安がある方や自信がない方、万全を期して最短距離で転職を成功させたい方は、是非、転職エージェントに相談されてみてください。VMDの求人動向や企業別の選考対策なども的確にアドバイスをしてくれるので、利用しない手はないと思いますよ。
※私がおすすめするアパレル専門の転職エージェントは二つあります。こちらの記事でご紹介しているので興味がある方はご一読ください。