ニットデザイナーの求人、簡単にみつかるものは実は、なかなか難しいのです。
ニットデザイナーがいま本当に人気みたいですね。
ニットのやわらかい素材感をいかしていろいろな服をデザインしたいという女性が増えているとか。
セーターに帽子にマフラーに・・・ニットデザイナーの仕事の領域はいろいろありますよね。また、ニット素材にも固めから柔らかめといろいろあるので、素材感を生かしていろいろなデザインにトライできます。
そんな人気のニットデザイナーですが、ニットデザイナーへの転職の道は、・・・
これが結構厳しい!!
んです。
単純に、ニットデザイナーの求人が少ない、というだけではありますが(汗
求人数が少ないのに、希望者は年々増えるので、転職試験を受けてもなかなか通らないという人がかなり多いみたいですね。
例えば、有名ブランドのニットデザイナーを募集するこちらの求人。
この求人だけで30名ぐらいの応募はラクにあるでしょうね。それで採用はたった1名。
これは、生半可なことじゃあ通らないですよね。
イッセイミヤケ系ブランドのニットデザイナーの求人なんて応募者は50人がラクに越えるんじゃないでしょうか。。。
でも、受ける人の多くは、
・これまでの経歴をまとめて、
・ニットデザイナーを志望する理由をまとめて、
・そのブランドの魅力を整理して、
ぐらいの人がほとんどなんで。。。まあ、あとはせいぜい、過去の作品集を作るぐらいでしょうか。いわゆるポートフォリオですね。
で、大半の人が一次面接であえなく敗退。。。そしてまたふたたびニットデザイナーの求人を探す・・・という感じでしょか。
倍率が高くても求人に勝ち取る一番のポイントって何かわかりますか?
それは、
求人企業が求める要素を整理して、あなたの経験・志望理由・今後やりたいことなどを通じて語る
ということなんです。それだけなんです。実はシンプルなんですよね。難しいですけど(笑
上にあげたイッセイミヤケの「HAAT」ブランドのニットデザイナーに求められることって何かわかりますか?求人内容にちゃんと書いてありますが、
・即戦力
・クリエイティビティのある
・企画出し/素材出し/指示書や仕様書の作成
です。これを面接の場でいかにアピールするか?
・「即戦力」をアピールするなら、ニットデザイナーとしてのあなたの過去の実績を語る必要があります。
どんなブランドを担当して、どんな役割を担ったのか?
そこでどのような課題と向き合い、どう打開したのか?
その経験を通じた自分の魅力は何なのか?
そのブランドのデザインのアプローチはどこから着想を得たのか?
ひとつの実績をこのような視点で整理しておくだけで、それを面接で語るだけで内定が取れることも珍しくありません。
いかに自分を客観視するか?が非常に重要なんです。
と偉そうなことをいってますが、実は、上でいっていることは全て、私が転職する時に女性の転職エージェントの方からアドバイスを受けた内容なんです。
その方から、
「自分が受ける企業のホームページをくまなく目をとおして、会社としてどんな人材を求めているか?その人材に自分がふさわしいとなぜいえるのか?を徹底的に整理しなさい」
としつこく言われてました。
とはいえ、求人情報集めから、企業分析や面接準備などをひとりでするのはなかなか難しいと思います。
まあ、ひとりでできちゃう人はいいんですけどね・・・
ということで、私のお勧めは、アパレル専門の転職エージェントを利用することなんです。
その理由は、アパレル専門の転職エージェントって、たくさんのアパレル企業とのパイプがあるので、
ニットデザイナーへの転職者の希望の会社の内容をじっくりきいてくれて、希望にあった会社を、いくつか提案してくれるんです。
で、すごいのが、アパレル専門の転職エージェントって、かなりの数の非公開求人をもっていて、さらに、
・企業の魅力や課題をぶっちゃけて教えてくれますし、
・さらに、企業の選考方法もよくわかっているので、かなり的確な面接対策も指導してくれる
んです。私も最初な「転職エージェント」っていう響きがちょっとこわかったんですが、何社も面接を受けてもなかなか通らなかったので、思いきってアドバイスを受けることにしました。
お金もかかりませんしねーー(笑
例えば、私の好きなニットブランドのひとつに、アンシュヌマン(enchainementmignon)があるんですが、こんな人気ブランドのニットデザイナーの求人なんて、そう簡単にはでてこないんですよね。
アンシュヌマンは、例えばこんな感じの柔らかいテイストのニットです。
穏やかさとあたたかみがあるブランドですよね。
マフラーもいい感じだと思いませんか!!
アンシュヌマンのような人気のニットデザイナーの求人なんかも、アパレル専門の転職エージェントに相談してみると、意外と選考に応じてくれたりすることもあるんですよ。
アパレル業界、ファッション業界専門の転職エージェントはいくつかありますが、おすすめはクリーデンスですね。
担当者が明るく話しやすく、大手の非公開求人がかなり多くあります。
全国の求人を扱っているので関東以外の方も大丈夫です。
※クリーデンスはこちらの記事でご紹介しています。ご興味がある方はどうぞ。
→ ファッションデザイナーの求人転職に外せない3視点
あなたの担当についたキャリアアドバイザーさんとの相性もあるので二社ぐらいに登録してみて、
・相性が合うな、この人ならいろいろ相談できそうだなと思った人をメインにする
・複数のエージェントさんに相談して少し多めに求人を探してもらう
といった活用の仕方もいいと思いますよ。
では、続いてニットデザイナーとしてのキャリアアップのケースをご紹介していきます。
ニットデザイナーとしての技術を磨き独立へ
【 相談 】
独立してニットのオーダーサロンを経営しています。でも、マネージメントなどの会社経営の難しさを感じています。できればクリエイターとして仕事をしていきたいのですが、可能なのでしょうか。(Mさん、40歳/女性/ニットデザイナー)
Mさんとの付き合いは、最初の就職の時からです。
彼女は北海道出身。地元の編物学院で学び、上京して服飾学院ニッティング科で基本を身につけました。そして某学園編物講師養成講座に進み、あらゆる二ッティング技術を習得しました。
手編みニット、自動編機、カットソーなどニットに関する全ての技術をマスターしていたので、当時、Mさんは自信をもって就職活動に取り組むことができました。
就職の際にスペシャリストとしての専門的技術は大きな強みとなります。Mさんは大手アハレルメーカーの人材募集に応募したところ即採用になりました。
そこで当5年勤務した後、独立してニットのオーダーサロンの店開業しました。
大手アパレルメーカーの退職時、年収は約550万円。一人の生活費としては十分でしたが、かねがね一度は独立してみたいとの思いがあり、勇気をもってスタートしたのです
事業を存続させることは何かと難しいし大変
自営の仕事も順調に進み年収も700万円にまで伸びました。
しかしMさんはひとりで事業を進めることのの難しさを実感し始めます。
社員を採用して、会社を運営できるのかどうか、何度も検討してはみたものの、「今の倍以上の売り上げをつくらなければ事業の存続は不可能」との結論を出したそうです「再挑戦のチャンスは今後もある」と考えてMさんは店を閉じました。
大手商社にチャレンジ
Mさんはデサイナーとして長年ニット製品にかかわってきましたが、今後どのような企業でどのような仕事がしたいのかきいてみると、
Mさん
「今日までニット一筋でキャリアを積んできましたが、今後もそのキャリアを生かした仕事を続けたいと考えています。ニット製品は日本での生産はごくわずかで市場で販売されているものの大半は韓国、中国、東南アジアで乍られています。」
Mさんはそうした海外と関わる仕事の経験がありますか。
Mさん
「直接的には経験がありません。」
今後、アパレル製品の大半は海外生産になっていくと思います。今まで以上に海外生産基地が拡大し、とくに量産ものは日本国内で生産することは不可能になるでしよう。そのビジネスの窓口として大手商社のアパレル部門に再就職できれば最高ですね。
Mさん
「そうですね。でも商社の場合、語学や貿易実務などいろいろ知らなければならないことが多い気がして、自分には難しいかなとも思います。」
商品企画、生産業務、営業、それにビジネス英語。特にビジネス英語は今後のアパレル業界ではとても重要な道具となります。デザイナーで英語が話せる人材はまだそう多くはないので、商社系のアパレル会社では重宝されることと思います。
技術部門のリーダーとして活躍
私は、とある商社にMさんのことを「ニットのスペシャリスト」として紹介することにしました。
ニットのスペシャリストのニーズは高いのですが、該当する人材はそれほど多くはありません。素材デザイン、生産工程などを理解しているMさんのスキルを求めていた企業はたくさんありました。その後、商社との話が順調に進み、Mさんの採用が決定しました。入社直後から海外とのやりとりが日常的にあったので、Mさんはビジネス英語を一生懸命に勉強したそうです。
それから7年がたちMさんはビジネス英語をマスターし、年収も1000万円となり大いに満足しているそうです。
「今の仕事が非常に面白いです。転職をしてよかったことは以前には全く考えられなかったグローバルな視野をもっことができたことです。一人の店では考えられないことですね。」
彼女は技術部門でのリーダーの一人として活躍しています。
Mさんは「また、チャンスがあれば独立したい」と言います。でも今は仕事が楽しくで仕方がないのです。「この仕事を暫くは続けていきたい」とも話していました。再度の独立を考えたときにも、今の仕事はきっと役に立つことでしよう。
デザイナーの仕事をしていると、デザイナーの仕事にしか興味がもてなくなってしまう人は多いと思います。
しかし、デザイナーが生産や企画の仕事を経験することで、デザイナーとしてのアイディアの幅が出ることがあります。
チャンスがあれば、英語を身につけることもそうですが、デザイナー以外の仕事の経験を積むことも、長い目で見るとよいことかなと思います。
ニットデザイナーの求人情報を探している方は、こちらの記事が役に立つと思います。
転職活動をするにあたって、とても大切な考え方をまとめています。
→ ファッションデザイナーの求人転職に外せない3視点
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