ファッションデザイナー 転職事例 ビジョン

将来のビジョンってキャリアを考える上ではとても大切ですね。

社長交代にともない、会社の方針が大きく変わってしまいました。
以前はデザイナーがやりたいものをある程度自由に作らせてくれる自由な雰囲気が会社中にあふれていました。

 

デザイナ ーとしては本当に楽しい毎日で、これからもこの会社で物づくりにこだわった仕事をしていきたいと思っていました。しかし、会社の景気が悪くなって社長が交代すると、経営層から要求されるのは売れ筋商品の後追いばかり。企画室も活気がなくなってしまいました。
いい会社があれば転職したいのですが・・・

 

 

ブランドの個性が好きでした

 

Aさんは中堅アパレルに入社して6年目。ファッション系の専門学校でデザインを学び、希望通りデザイナーとして入社しました。その会社が発売しているブランドをAさんは大好きでした。ファッショントレンドをおさえつつ、独自のエッジを利かせたデザインは、固定ファンを獲得していました。「物づくりにこだわっているところにひかれた」とAさん。
デザイナーとして自分の個性を発揮できるブランドと考えて入社しました。

 

入社後は彼女が考えていた通り、先輩デザイナーたちの個性があわさる職場でそれぞれが生き生きと仕事をしていました。Aさんも3年目からはカットソーのデザインを任されるようになり、仕事の「面白み」がどんどん増していった時期でした。

 

商品クオリティよりもコスト削減

 

ところが一昨年、社長交代後に社内の雰囲気が「大きく変わった」と言います。
新しい社長は初代社長の息子で、前職は銀行員。経営のプロとして会社に入社したのです。

 

会社の経営状態が悪くなり、資金の借入先である銀行から経営者が派遣されるということはよくあるケースです。
また会社がある一定以上の規模になり、経営が安定している場合にも社長交代は珍しいことではありません。各部門の責任者がしっかりしていてビジネスの現場が円滑に進んでいるときに行われるケースです。つまり「代を譲る」ということですね。

 

Aさんの会社も業績が安定しているなかでの「代替わり」でした。
新社長はファッションの物づくりよりも、売り上げ最優先の方針を打ち出しました。
ブランド作りにもコスト削減が重視されるようになったのです。

 

当然、デザイナーであるAさんたち企画室にも「売れる商品」、それも「利益のとれる物 づくり」が要求されました。

 

「物づくりにこだわりたい」「自社のプランドらしい商品を作り続けたい」 というAさんたちデザイ ナーの気持ちがあまり大切にされなくなったそうです。 思い悩んだAさんは 転職エージェントに相談したのです。

 

 

自社らしい商品を提案したい

 

Aさんの感じるいまの会社の問題は?

 

物づくりに楽しさが欠けていること。もう一つはAさんがいる企画室に活気がなく、みんながなんとなく仕事をしている感じで、精彩を欠いています。それが嫌です。

 

商品の納入先は?

 

デパートと大型量販店が得意先ですがAさんの担当は全国展開をしている量販店が主力で す。量販店は以前と違って安価な商品のみを追求している売り場は少なくなりました。 最近はトレンドを取り入れた、趣向性の高い商品を求める傾向が強まってきています。
私たちデザイナーはもっと自社らしい商品、時代のエッセンスを盛り込んだ商品を提案したいと思っています。

 

でも 、社長が代わってからは、 売り上げ優先、利益優先で、物づくりに対するモチベーションが下がってしまいました。

 

企業にとって売り上 げや利益を上げることは当然のことだと思います。
ただ、フアツンョンピジネスは高い感性をもった集団で組織されなければなりません。
トップも計数管理のみに重点をおくのではな く、この点を理解しておかなければ会社は 成長しない気がします。
社員のモチベーションが下がるというのは少し問題がありますね。

 

Aさん自身がもっているキ ャラクターを生かせる転職ができるならばそればベストですね。
まずはAさん自身の強みと弱み、これまでの経験を整理しておくことが必要となります。

 

転職を決意

 

1週間後、Aさんから「やはり転職先を探していただきたい」という連絡がありました。

 

Aさんは会社の上司と話したそうです。会社の将来の方向性、自分の求めている物づくりの悩みを上司に打ち明け真撃に自分なりに考えた姿に好感を抱きました。
転職を決意するときにも、自分なりに迷いを払拭して、きちんと結論を出すことで次の職場の求め方も明確でした。

 

個性を大事にする会社を紹介

 

求人が出されている会社のなかから以下の三社を選ぴAさんに提案しました。

 

社員30名ぐらいですが、自社のブランドポリシーを守りながら新商品を開発しているA社。
中堅のSPA(製造小売業)で最近急速に成長しているB社。
自社ブランドの開発に力を入れているC社。
いずれも自社の物づくりに自信を持っている会社ばかりです。
Aさんが活躍できる環境はととのっていると判断しました。

 

それぞれの会社と面接をした結果、Aさんが選んだのはC社でした。

 

物づくりにこだわるAさんは「きっとA社を選択するだろう」と思い込んでいました。
何よりもAさんの悩みがそこにあったからです。ところがAさんが選んだのはC社でした。

 

Aさんいわく、

 

A社もB社も私にとっては非常に魅力的でした。C杜を選んだのは、小売りからスタートし
ファッションを楽しむお客さまにより近い現場で物づくりができるのではないかと考えたからです。そのあたりは面接のときにも質問して確認させてもらいました。
お客さまのリアルな姿を知ることは、これからのデザイナーには必要なことだと思いま した。

 

Aさんのしっかりした考え方に私は感服してしまいました。デザイナーとしてのビジョン を明確にもって、自分の将来を真剣に考えた結果なんだと思います。

 

自分の将来に明確なビジョンがもてれば、おのずと未来は見えてくるものなんだということを改めて実感しました。

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